2015年10月11日日曜日

アンティークバカラ レイラ BACCARAT LEILA

2018年9月14日更新


©Galleria Kajorica

スリムなシェイプと夢想的なエッチングが素敵で大人気のモデル。
ロングステムをレイラ、ショートステムをジェッダと言います。
希少品で、私が提供したい価格で売るには値段が高すぎることが多く、グラスは転売用に入手出来たことがありません。写真は唯一入手でき、すぐに売れてしまったデキャンタ。
ですので今のところ名前の由来の記述のみとなります。



1933年のバカラカタログから


パリのバカラミュージアム収蔵の金縁のレイラ 
インドのマハラジャの注文で製作したのと同じ品とのこと








名前の由来
Leila (フランス語読みレイラ、英語ではLaylaライラ)は元々はアラブとペルシャの女性名。
ペルシャで語り継がれるライラとマジュヌーン(Layla and Majnun 英語表記)に由来していると言っていいでしょう。ライラとマジュヌーンの悲恋物語は歴史上多くの芸術家にインスピレーションを与えましたが、特に 1813年にバイロンが異端者 (The Giaour)の登場人物にライラという名前を使ったことで、以降ヨーロッパの女性名にも使われるようになりました。
他にはアメリカの作曲家アラン・ホヴァネスの交響曲第24番マジュヌーンはこの物語を題材としていますし。エリック・クラプトン発表した「ライラ」(日本語タイトルいとしのライラ)はこの物語から着想したものと言われています。随分イメージ離れますが。。。

あらすじは美しいライラに恋い焦がれた青年カイスがマジュヌーンにとりつかれ狂人となり、ライラは親の決めた相手と結婚してししまい、夫との転居先の町(現在のイラク)で若くして病死し、カイス発狂し砂漠をさすらって死んでしまう、というお話です。極端に単純化してしまいましたがもっと複雑なお話なのでご興味のある方は日本語訳『ライラとマジュヌーン アラブの恋物語』(岡田恵美子訳、平凡社東洋文庫)を是非お読みください。

この話は十数世紀にわたりいろいろな形で流布されてきましたが、実話だったそうでマジュヌーンは詩人Qays ibn al-Mulawwahがモデルだったっと言われています。

Qays ibn al-Mulawwahがライラへの愛を詠んだ詩ではこちらが有名。

壁の側を通る ライラの壁の
こちらの壁にもあちらの壁にもキスをする
家に  ではなく この家に住む私の心をつかんだ愛のために

(伊語からの下手な翻訳で失礼!)

レイラとカイスが最後に会うシーン




本の表紙


2015年10月7日水曜日

アンティークバカラ ミティリヌ BACCARAT MYTILINE

2018年7月14日更新






最大直径11.8cm 高さ20.5m  本体のみ高さ16cm
首下容量 約780ml


©Galleria Kajorica

おそらくアールデコ後期のデザインではないかと思われます。
ミケランジェロのエッチングをアールデコスタイルにした様なデコレーションと、独特のスクエアーっぽいプロフィール。アルジャンティーナに似ていると言えなくもないですね。とても個性的なだけでなく、使い易いグラスです。
でも希少なグラスでなかなか売りに出ません。
 ミティリーヌの方が滑らかな響きですが発音としては ミティリヌの方正しいでしょう。





名前の由来
ギリシャのエーゲ海北部のレスボス島の南東部町の名前。 ミティリヌ はフランス語読みで英語読みギリシャ語読みではミュティレネギリシャ 正教会府主教座が置かれている町です。

紀元前10世紀くらいから人が住んでいた世界でも最も古い町の一つといわれています。紀元前6世紀末から紀元前4世紀中盤までは世界最古の鋳造貨幣エレクトロン貨の鋳造で有名。

ギリシャ七賢人のひとりピッタコスの出身地でもあり、また紀元前337年から紀元前335年の2年間、アリストテレスが、後にマケドニア王国の大英雄アレクサンダー大王として歴史に名前を残す若年のアレクサンドロス3世の家庭教師となる前に、友人で弟子でもあるテオプラストスとともにミュティレネに住んでいたこともあると伝わっています。

町の名前はギリシャ神話にちなんでつけられたらしいのですが、何に因んだかは諸説あり歴史学者の間でも一つに断定出来ていないようです。

ミュティレネで製造されていた世界最古の鋳造貨幣エレクトロン貨
©Classical Numismatic Group, Inc. http://www.cngcoins.com



ギリシャ七賢人のひとりミュティレネ出身のピッタコス(b.c.650-bc.570頃)
有力な貴族の出身にもかかわらず民主的な識見の持主だったといいます。


プラトンの弟子で、ソクラテス、プラトンとともに西洋最大の哲学者の一人とされるアリストテレス
(b.c.384ーb.c.322) 
そのアリストテレスの講義を受ける若年のアレクサンドロス三世。後のアレクサンダー大王

またレスボス島といえば、ギリシャ神話オルフェウス(オルペウス)の中でマイナスに殺され八つ裂きにされたオルフェウスの頭が、歌を歌いながら河を流れ下り海に出ての竪琴と共に流れ着く先ががレスボス島です。島人はオルペウスの死を深く悼み、墓を築いて詩人を葬り、レスボス島はオルペウスの加護によって多くの文人を輩出することになった、と言われています。
妖精に見つけられるオルフェウスの頭 部
John William Waterhouse画 (1900)



最後にやっぱりお城。やはりバカラの製品名はお城に因んだ名前が多いのでしょうか???


ミュティレネのお城 紀元六世紀に建設されたもの Photo©Katsiaryna Naliuka