先週ローマに行き、街中心部スペイン広場にあるジョルジョ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico, 18887-1977)の自宅兼アトリエが美術館になったホームミュージアムを訪ね、バカラのキャンドルスタンドを見つけました。
今後特にリクエストでもない限り、入手の予定はないアイテムなのでジョルジョ・デ・キリコのホームミュージアムの写真と併せてキャンドルスタンドブログ項目を追加することにします。
デ・キリコはイタリアの画家、彫刻家。形而上絵画派を興し、後のシュルレアリスムに大きな影響を与えた重要なアーティストです。
バカラ 1893年カタログ
このカタログでの品番は灯数によりNo. 607Bから612Bまで
バカラ 1906−1907年 イルミネーションのカタログ
全て6灯でE170という品番に変わっています。
1893年、1906−1907年のカタログを見るとわかるように、同型でエッチング付きのセードのあるヴァージョン(左)とないバージョン(右)があります。
また、1893年のカタログのキャンドルホルダー下に下がっているストラス・ビーズの形状が異なりますが、1906−1907年 イルミネーションのカタログではデ・キリコ邸キャンドルスタンドと同じストラス・ビーズです。
RIzzoli社2013年発行の書籍「Baccarat」掲載の大半のシャンデリアの写真はデ・キリコ邸キャンドルスタンドと同じストラス・ビーズです。
プロパー品としては中央部の最も高い部分にはデコレーションのためのクリスタルが入っていますが、(多分キャンドルの炎の高さでクリスタルが反射するように)デ・キリコ邸にあった品は中央部分もキャンドルスタンドになっていています。
この程度の簡単なイージーオーダーはバカラは受けていたはずです。
ダイニングルームに座るジョルジョ・デ・キリコの写真
デ・キリコ邸のバーワゴン
グラスは銀製
こちらはティーワゴン
ダイニングルーム
ダイニングテーブル上にはセンターピースに代わりにサモワールが。
パリで知り合ったという二人目のポーランド人妻の肖像画
一つ一つは日常的なものを描いているのに取り合わせでシュールな感じのする絵画
愛情を言葉で表現しなかった父親の、肩に手を置いてくれた仕草を回想した絵画
最上階にあるジョルジョ・デ・キリコの簡素な寝室
妻の寝室と窓から見える有名なトリニタデイモンティ教会
最上階奥アトリエ
アパート地上階、誰にでも入れるアトリウムにある彫刻