2017年2月22日水曜日

アンティーク サン ルイ ドゥナ SAINT LOUIS DUNA 1393bis





アンティークのサン・ルイのドゥナDUNAというモデル名、エッチングパターンは1393bisになります。同じドゥナDUNAでも異なるエッチングやカットの品も存在します。

ワイングラスやウォーターゴブレットなどもありますが、今回はカップ部がグリーンで控えめな金彩の入ったのVin du Rhin (アルザスワイン) 用のグラスを入手しました。

ヒュッと長い脚が六面にカットされ、丸いカップ部の形が美しいグラスです。昔のワイングラスにしては背が高くゴージャス感があり、シャンパンクープとしてもご利用いただけます。(サンルイのカタログの同型別パターンの製品にシャンパンクープと記載されている程)
サンルイのエッチングのパターンとしてシンプルですが、緑色の硝子と金彩のコーンビネーションも控えめな上品さの中に華やかさもあります。

下の段の右から2番目がこのグラスです。

同じDUNA でもカットを施したバージョン



さて、何故アルザスのワイン用のグラスはこのような形をしているかというと、アルザス地方は歴史的、文化的にドイツとの関係が深く、また気候もフランスのワイン産地の中では最も寒くドイツに似ていて栽培されているぶどう品種もドイツのものが多く、香りが高い白ワインが多いため、小ぶりで、香りが少しこもるように口先が内側にカーブしている形状が適しています。甘酸っぱさと香りをゆっくりと味わうためだそうです。
ちなみに本場アルザス地方の庶民的なレストランでアルザスワインを頼むと決まって出てくるグラスはカップ部が透明ガラスでブドウなどのエッチングが入っていて脚部が緑色です。

典型的な庶民的アルザスワイングラス


名前の由来
名前のDunaという言葉はフランス語にはなく、めぼしい地名も人名もないのでおそらく同じくラテン系のイタリア語スペイン語のDuna(フランス語ではDune)のことを言っているのだと推測します。
Dunaとは砂丘の、砂の波打つ表面、砂紋も意味します。
いずれにしても形状やエッチングとはあまり関係ないように思われ。言葉の響きだけで選んだのではないでしょうか。もし別の仮説が浮上しましたらページを更新します。
でもドゥーナ(イタリア的発音で)は美しいので砂漠の砂紋の写真をいくつか選んでみました。
Photo© Luca Galuzzi (www.Galuzzi.it)

Photo© Luca Galuzzi (www.Galuzzi.it)

Photo:NASA