2018年9月19日水曜日

アンティークバカラ ジェッダ BACCARAT DJEDDAH

©Galleria Kajorica

スリムなシェイプと夢想的なエッチングが素敵で大人気のモデル。
ロングステムをレイラ、ショートステムをジェッダと言います。
希少品で、私が提供したい価格で売るには値段が高すぎることが多く、グラスは転売用に入手出来たことがありません。写真は唯一入手でき、すぐに売れてしまったデキャンタ。
ですので今のところ名前の由来の記述のみとなります。


©Galleria Kajorica



©Galleria Kajorica


2023年追記
©Galleria Kajorica

直径 74mm  高さ105mm  
満水容量 240ml

2023年こんな珍しい品を見つけました。ノーステムの金彩タンブラー。見るまでこのような品が製造されていたことさえ知りませんでした。おそらく一期一会の品でしょう。
ステムがないのでレイラともジェッダとも特定できませんがもしかしたら別の名前がついているかもしれません。とりあえず、両方の項目に追加しておきます。








1933年のバカラカタログから




名前の由来
Djeddahはジェッダのフランス語表記で英語表記はJeddah発音はジッダまたはジェッダ。このころのバカラの品にイスラム圏の街の名が多く付けられているのは、具象画を描くような西欧の従来のエッチングパターンから全面に施す細かなエッチングに移行した際に、イスラム文化の装飾にインスピレーションを得ていたからでは、と私は想像しています。

ジェッダ旧市街の家のドア ビデオ「Old  Jeddah」から

ジェッダはサウジアラビア西部紅海に臨む、首都リヤドに次ぐ大都市で、イスタンブール、カイロ、カサブランカ、リデジャネイロ 、ナポリなど多くの国際的大都市と姉妹都市になっています。

1938年のジェッダ バカラの製品名になった頃、ということになります。


もともとは紀元前5世紀頃からある小さな漁村だったのが、イスラム教が興って近郊のマッカ(メッカ)が聖地になると、巡礼者の中継地点として栄えるようになったといいます。現在では、ハッジ(大巡礼)の時期になると毎年200万人ものイスラム教徒が、ジェッダを経由してマッカへ巡礼するため、伝統的にジェッダ港に船で訪れる人たちだけでなく空港も巡礼者を乗せた飛行機が押し寄せる町となりました。
メッカの玄関口としての歴史地区は、2014年にUNESCO世界遺産リストに登録されています。


ジェッダの町の名の由来には二通りの説明があります。一つは、紅海に面する港であることから海岸を意味するشاطئ(発音はジャダー)名が付けられたという説と、もうひとつより一般的な説はアラビア語で「おばあさん」という意味の「jaddah」から転じたというも。この説の背後には、ジェッダに人類の祖であるイヴの墓とされる墳墓があるため。そのイブの墓に、巡礼者たちの中にイスラムの伝統を破ってその墓にも拝礼する者がいたことが問題となり、1975年に政府の宗教局によりコンクリートで覆われてしまったとのこと。

1924年頃のジェッダ(左) と 現在のジェッダのスカイライン(右)


UNESCO世界遺産のジェッダの旧市街の街並み
以下のYOUTUBE のリンク「Old  Jeddah」から素敵な画像をいくつか選んでみました。
https://www.youtube.com/watch?v=xIai_j-fkSI


現存の街並みは800年以上前のものだそうですが繊細な装飾の細工を施した窓が印象的で神秘的な街です。
これらの写真を見て製品名と実物のイメージがやっと少し結びつきました。。。