1800年代後半から1920年ごろまで長く製造されていたバカラのクリスタル製サリエールの中でも最も代表的な形のソルトサーバーです。
広く出回っている1907年1916年のバカラのカタログによると小さなサイズは底裏のカットの数が少ないのに比べこちらはカットの数が大きいものと同じ、BACCARAT DEPOSEのマークもなく、またこれほど小さいものは1907年1916年のカタログには見当たらず。
形は瓜二つでもで果たしてバカラか、暫く判断しかねていましたが、20世紀に入ってからのカタログで見る範囲では大きさは大小2種類しか無いのに比較し、1893年のカタログを見ると大小だけでなくサイズのバリエーションがが4種類あり底裏のカットの数も全て同じでであることがわかります。ですのでこちらは19世紀バカラ製品の一番小さいサイズでしょう。
またこのサリエールにはBACCARAT DEPOSEのマークのあるものとないものがあるようですが、1916年のカタログを見ると、この同じ形状で型成形(moulées)で造られた品とそこに更にカットを施している品(Taillées)2ヴァージョンがあります。
この品は底裏は一度研磨され、その後カットが施されていますので、モールド成型の品に見られるBACCARAT DEPOSEのマークはありませんが、モールド成型品より手のかかった高級品と判断して良いでしょう。
今回入荷品のサイズは
長さ:95mm、幅 : 40mm、高さ : 50 mm