©Galleria Kajorica
在庫状況や個々のコンディションはオークションページをご覧下さい。
有名なモデルなのであえて色々説明する必要はないかもしれません。
ジオメトリックな形ですがとても持ち易いグラスです。
有名なモデルなので前から知っていましたが、この度初めて入手しました。現物をもってみると、写真から想像したよりもクオリティーを感じます。
パリのシャンゼリゼにリド(LIDO)という世界的に有名なキャバレーがあるのでつい短絡的に結びつけてしまいそうですが、キャバレーの名は第二次世界大戦後の再オープンの際に改名され「リド」となったもの。ベルエポックから有名だった同店の前身の店の名前はLa Plage de Paris(ラ・プラージュ・デ・パリ)でした。このシリーズが1930年代リリースであることを考えると、リリース時に有名なキャバレーはリドという名で存在していなかったことになり、直接関係はないと考えた方が良いでしょう。
詳細はアイテム紹介の後をご覧下さい。
©Galleria Kajorica
戦後は近隣の海岸の工業化が進み海水の質が落ちリゾート地としての評価は昔程ではなくなりましたが、未だに往年の高級リゾート地独特の良い雰囲気を残しています。
Google map satelite で見るリド島
1928年夏の観光シーズン(4-10月)のリドの広告
バカラのグラスの「リド」がとても似合う雰囲気です。
1925年(左)1930年(右)のリドの観光広告。
たった5年ですが流行の変化が手にとる様にわかります。
このリンクと画像はルッキーノ・ヴィスコンティ監督のトーマス・マン原作「ヴェニスに死す」の日本語版トレーラー。 1971年発表の映画ですが二十世紀初頭のリド島の雰囲気が再現されています。前述の広告よりも20年くらい前の時代考証ですが既にヨーロッパの各地から貴族やインテリの集まる高級リゾートでした。
「ヴェニスに死す」の舞台になったHotel des Bainsアールデコ期のポスタ―
因にトーマス・マンの小説の日本語版ではホテル名が「海水浴ホテル」と意訳されていて。。。
確かに意味的には正しいですがイタリア人にとっても「des Bains」は外国語(フランス語)の固有名詞なのだから意味で訳さず音で「デ・バン・ホテル」または「ホテル デ・バン」と訳して欲しかったです。
Hotel des Bains の現在の姿
サウンドトラックに使われているグスタフ・マーラー のアダジェット (交響曲第5番、第4楽章)も素敵で、この映画を見てマーラーのファンになった人も少なくないのではないでしょうか。
カラヤン指揮のベルリン・フィルの演奏のものが有名ですが、個人的な趣味でまたアバド指揮のドラマチック演奏のビデオを選びました。